● 教育理念・目的
21世紀は生命科学の時代といわれ、「生物とは何か」、「生命とは何か」を明らかにするために、新たな視点からの教育・研究が求められています。生命の遺伝情報はゲノムに含まれ、遺伝子がコードするタンパク質には様々な生体機能の謎が含まれています。タンパク質の合成は精緻な分子機構により制御されていて、細胞あるいは個体レベルの様々な生理反応を演出しています。さらに個体の集合は生態系を形成し、豊かな自然環境と生物の多様性を生み出しています。そして、個体や集団レベルの研究は、進化の視点を通じて分子レベルの研究に還元されます。このような階層構造を持つ生命現象を、普遍性と多様性の視点から解明することが、ポストゲノム時代で有る現在求められています。そのために生物科学専攻では、ミクロからマクロなレベルの生命現象を見通せるような幅広い視野に立ち、自分自身で研究を構築・遂行する力を身につけることを目指しています。博士後期課程では、教員の個人指導のもと、各自が個別のテーマを設定して、前期課程に比べて更に高度な専門的な研究能力の獲得を行い、自立した研究者・高度専門職業人として社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
● 教育目標
上記を達成するための具体的な教育目標を下記のように設定しています。
1. 教員の個人指導の下で、各自が生物科学の特定の研究課題を設定し、そのための研究計画を組み立て、遂行する能力を培います。その際に、研究課題の問題点を明確にし、文献探索、指導教員や研究グループ内でのディスカッションなどから、自らその問題点解決のための実験を構築・遂行し、得られた結果の解析・評価を行う能力を鍛錬します。
2. 得られた研究成果を、学会あるいは論文など様々な形で発表する能力を習得します。
3. 科学の共通言語である英語について、英文テキストや最新の英語論文を自由に読みこなす能力、研究成果を英語論文として発信する能力、国際セミナーや会議などでコミュニケーションを行う能力を培います。
4. 最先端の研究を行っている研究者の研究成果に講義を通じて触れ、ディスカッション等を通じて研究能力の向上を目指します。
● 教育目標とカリキュラムの対応
生物科学専攻(博士前期課程)の教育目標と各履修科目との関連を、下記に示します。
|
科目名 |
単位数 |
教育目標の番号 |
備 考 |
1 |
2 |
3 |
4 |
|
研究企画ゼミナール |
1 |
○ |
○ |
|
|
1年次配当 |
生物科学特別演習VA,VB |
各1 |
○ |
○ |
○ |
|
1年次配当 |
生物科学特別演習WA,WB |
各1 |
○ |
○ |
○ |
|
2年次配当 |
生物科学特別演習XA,XB |
各1 |
○ |
○ |
○ |
|
3年次配当 |
生物科学特別研究VA,VB |
各2 |
○ |
○ |
○ |
|
1年次配当 |
生物科学特別研究WA,WB |
各2 |
○ |
○ |
○ |
|
2年次配当 |
生物科学特別研究XA,XB |
各2 |
○ |
○ |
○ |
|
3年次配当 |
修了に要する単位数(必修科目) |
19 |
*1 |
選
択
科
目
|
生物科学特別講義E |
1 |
|
|
|
○ |
|
生物科学特別講義F |
1 |
|
|
|
○ |
|
生物科学特別講義G |
1 |
|
|
|
○ |
|
生物科学特別講義H |
1 |
|
|
|
○ |
|
修了に要する単位数(選択科目) |
1 |
*2 |
|
修了に要する全単位数(合計) |
20 |
*1+*2 |
※ 表中の「教育目標」の数字は、生物科学専攻・博士後期課程の教育目標1〜4に対応し、丸印の付いている番号がその科目の目標であることを示しています。
例えば、「研究企画ゼミナール」は、生物科学専攻・博士後期課程の教育目標の1と2に対応しています。
<備考>
本課程に1年以上在学し、かつ優れた研究業績をあげた場合には、標準履修年限である 3年間よりも期間を短縮して学位を取得することが可能です。
本課程には、在職する機関・企業等での研修を継続しながら本専攻の教員による研究指 導を受けて学位を取得することが可能な「社会人特別枠」が設けてられています。
教育理念・目的と教育目標 : 生物科学課程 / 生物科学科・生物科学専攻(博士前期課程 / 博士後期課程) |